- オーダーメイド臓器モデル
アイリス様 画像診断支援AIの評価試験用 口腔モデルの製作
▶ 概要
アイリス株式会社様(以下、アイリス様)は、咽頭の画像等を
インフルエンザの既存の検査法は綿棒を鼻腔内に挿入するため、患者様の痛みを伴うと同時に、医療者の飛沫感染リスクが懸念されるといった課題があります。また、発症してから24時間以上が経過しないと、診断精度が十分ではないと言われています。
これらの課題を解決する新しい検査法のために、アイリス様は咽頭画像に特化した内視鏡カメラを開発。撮影した50万枚もの咽頭画像で構築したデータベースを活用し、インフルエンザの発症有無を判定するAIプログラムを開発されました。
▶ 口腔モデルの用途
インフルエンザを患うと、咽頭の粘膜にインフルエンザ濾胞(ろほう)と呼ばれる特有の腫れ物ができます。しかしながら、風邪や健康な場合にも似たような膨らみがあり、インフルエンザ濾胞を見極めるには経験が必要とされています。
今回ご依頼いただいた口腔モデルは、AIがインフルエンザ濾胞を判別する評価試験に用いられます。アイリス様は、新しい検査法の研究開発をよりスムーズに進めるために、口腔モデルによる質の高い評価試験を実施したいと考えていらっしゃいました。
▶ 口腔モデルのポイント
AIによるインフルエンザの発症有無の判定は、内視鏡カメラの画像情報等をもとに行なわれます。そのため、インフルエンザ濾胞を含めて口腔内をいかに高い精度で再現できるかが、当モデルを作るうえで最も肝要でした。
そこで、実際に内視鏡カメラで撮影された複数の画像から特徴的なインフルエンザ濾胞をピックアップし、特有のツヤ・テカリ・大きさ・盛り上がり方などを多様なパターンで口腔内に再現。また、口腔内に用いる塗料は複数の近似色を採用し、手で重ね塗りをすることによって質感や立体感を表現したことに加え、内視鏡カメラのライトで口腔内が照らされる実際の使用環境のもと、色を調整しました。
モデルは、口腔と咽頭後壁の2パーツに分けて製作し、脱着可能な仕様を採用しています。今後、AIによるさらに精度の高い診断ができるよう、インフルエンザ濾胞の形状バリエーションをご用意するほか、色の異なる咽頭後壁パーツも製作する予定です。
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