Surgery Training Modelの開発秘話と
製品を通じて目指す医療現場の将来

この度2017年グッドデザイン賞を受賞したSurgery Training Modelについて、
開発者である山岸教授にお話ししていただきました。

対談者プロフィール

教授

京都府立医科大学 小児心臓血管外科

京都府立医科大学 小児心臓血管外科
山岸正明 教授

小児の分野において、世界でも有数な心臓血管外科の名医。日々の手術に加え、新しい手技や手術道具の考案など研究を重ね、超難関手術に挑み続けるスーパードクター。

㈱クロスメディカル

営業担当 石田寿人

営業担当
石田 寿人

世界初の軟質臓器シミュレータ開発に携わり、100社を超える医療施設への販売実績を持つ。2017年「グッドデザイン賞2017」を受賞。

技術担当 大江和義

技術担当
大江 和義

3DCADを使ったCTスキャンデータの解析においては世界トップクラスの処理能力を持つ。2013年 第5回ものづくり日本大賞内閣総理大臣賞を受賞をはじめ、これまでに多数の受賞歴あり。

Sugery Training Modelについて

Surgery Training Modelが2017年グッドデザイン賞を受賞したことについて

山岸先生

私自身、グッドデザイン賞という分野とは全く違う仕事をしているので、正直なところ、驚いたと同時に本当に嬉しかったです。実は昔、少しデザインの勉強をしていたことがあったので感慨深い思いもあります。

石田

審査員の方々にはSurgery Training Modelの有用性やデザインだけでなく、その背景や製品のもたらす効果などに非常に興味を持っていただきました。また、かねてより山岸先生のご要望であったコストダウン実現への情熱も認めていただき、非常に嬉しかったです。今回の受賞は我々の取り組みが社会的に認められた証であるので、とても光栄に思います。
これまでのグッドデザイン賞は製品の外観的な格好良さを追求している部分がありました。最近は特に格好良さだけでなく、イノベーションに繋がる製品が対象に選ばれることが多いようです。今回の受賞は、Surgery Training Modelが今までにないリアルなモデルで、どこでも手術の練習が気軽にできるという大きなイノベーションが評価されたということだと思います。山岸先生に発案していただけなかったら今回のグッドデザイン賞受賞は成し得ませんでした。

実際に使用する方の観点から見た工夫点

山岸先生

開発にあたって、クロスメディカルとは試行錯誤をかなり重ねました。
Surgery Training Modelの台座1つあれば、本体部分の付け替えを行うだけで何回も練習できるという点がまず1つです。
2つめは台座部分に角度をつけることで、実際の手術時における外科医から見た心臓の位置を再現している点です。角度の決定にあたっては、3Dデータで何度もモデルを作っていただき、その度に私自身で確認しました。
また、複数人で行なう手術を一人でもトレーニングできるよう、台座に溝を切って縫合糸の整理ホルダーを再現しています。溝に縫合糸を掛けて固定することで、視野を展開できるようにしました。実際の手術に用いるホルダーはかなり大きく、高価で、再利用できません。一方Surgery Training Modelでは1個購入すれば本体の心臓部を取り替えるだけで何度でも練習可能なモデルなので、トレーニングのコストを大きく下げることができます。若い医師にとっては技術的な面だけでなく、経済的な面でも手助けとなるモデルに仕上がったと思います。

対談の様子