Surgery Training Modelの開発秘話と
製品を通じて目指す医療現場の将来

この度2017年グッドデザイン賞を受賞したSurgery Training Modelについて、
開発者である山岸先生にお話ししていただきました。

Sugery Training Modelについて

現在開発中のモデルについて

大江

左心低形成症候群モデルと心室中隔欠損症モデルを現在開発しています。進捗としては5合目ぐらいで、まだまだ煮詰める必要があると思っています。

山岸先生

左心低形成症候群モデルは1回作ったことがありました。しかし実際にモデルを使用して手術をしてみたところ、実用に耐えられるモデルではないことが分かりました。必要な部分まで削り過ぎたことが原因です。そのため、もう一度ゼロから作り直しているというのが現状です。
心室中隔欠損症モデルについては専門的に難しい部分がいくつかあります。この疾患は心臓の内部を隔てる壁に穴が空いているのですが、その穴が手前にあったり、奥の方にあったり、出口にあったりと色んなタイプが存在します。以前クロスメディカルにお渡しした穴が出口にあるタイプのデータは、実際に作ってもらうとファロー四徴症モデルと似ていました。既存のモデルと似たものを作ってもしかたがないので、現在別のタイプのCTデータを探している最中です。心室中隔欠損症はCTを撮らずに手術する場合が多いので、症例データの入手にもう少し時間がかかります。
心室中隔欠損症の典型的な症例モデルであれば、さほど時間を掛けずに開発できます。ただし、それが若い人のトレーニングに向いているかというと話はまた別です。典型的な症例のものは手術難易度が低いため、ある程度難度の高いモデルの開発が望ましいです。しかし一方で特殊すぎるものは難しすぎて練習になりません。心室中隔欠損症とファロー四徴症とはよく似た部分があるため、この2つがどう異なるのかを若い医師にもしっかり理解して頂けるモデルが必要だと考えています。

対談の様子

Surgery Training Model一連のシリーズ製品を通じて目指す医療現場の将来

山岸先生

やはり今一番問題なのは、外科医をいかに育てるかという点です。特に小児心臓外科医というのは特殊な業種で、若い人はあまり入ってきません。入ってきた人皆が一人前になれるかというと、どうしても向き不向きがあります。10人いればその内の3~4人、トレーニングを経て外科医になる割合はその程度しかいないのです。
ではその人たちにどういったトレーニングを行うかが問題です。昔はおおらかな時代だったため実際の手術を経験することができましたが、今の時代はそういうわけにはいかず、若者が経験する機会が減っています。だからといって、実際に突然やってみろと任され、通常30分程度で行なうような手術に2〜3時間も掛けてもらっては困ります。せめて1時間でやってほしいのです。
若い人の育成と患者様への直接のメリット、その2点を踏まえると、医療現場の将来においてSurgery Training Modelは有望で、好ましいモデルだと考えています。

クロスメディカルとして医療業界に対する貢献の姿勢

石田

我々はもともと家電や自動車部品などの試作品を作っていた工業系の会社で、2009年からこの心臓シミュレータープロジェクトをさせていただいています。試作品作りの技術が自動車・家電・ロボットの業界に役立つのは勿論喜ばしいことですが、これをうまく活用して医療の業界で役立てられるのであれば、我々も非常に嬉しいです。我々の技術が命を救う一助になるのであれば、こんなにもやりがいのあるお仕事はないと思っています。製作陣も皆大変な思いをして作っていますが、非常に使命感を感じております。
今後もSurgery Training Modelのような若いドクターたちに役立つモデルを開発し、世界展開できることを目指しています。

対談の様子

対談者プロフィール

教授

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京都府立医科大学 小児心臓血管外科
山岸正明 教授

クロスメディカル

営業担当 石田寿人

営業担当
石田寿人

技術担当 大江和義

技術担当
大江和義